抱っこ法とは?


■時代のニーズにこたえて
 ひきこもり、キレル子ども、いじめ、学級崩壊、援助交際、リストカットなど、子どもたちをめぐる問題は後を絶ちませんが、こうした事態は、実は彼ら自身が苦しんでいる姿なのです。そしてそのルーツをたどると、早くも乳幼児期に、親の育児不安や、子どもが見せるちょっと気がかりな行動などとして、始まっていることが少なくありません。大人たちは何とかしたいと思いながらも、どうしてよいか分からず、やみくもに子どもを叱ったり、優しくできない自分を責めたり、時には子どもがかわいいとさえ思えなくなって、悪循環が進みます。
 なぜそうなるのか? 行動の背後にどういう気持ちが隠れてぃるのか? 子どもと具体的にどう関わればいいのか? どうして子育てがこんなにも苦しく、難しいものになってしまったのか?現代社会のさまざまな影響を受けて生きている私たちが、大人も子どもも人間本来の姿を取りもどし、自分らしく生きてぃくにはどうしたらいいのか?
 私たちは、そうした疑問への答えを、内外の幅広い文献を参考にしつつみずからの実践によって確かめながら、抱っこ法という名のもとに理論を構築し、技法を開発してきました。今では、実際に抱っこ法を体験した人や研修会の参加者から「考え方が納得でき、目からうろこだ」とか、「子どもの気持ちが分かりやすくなって、子どもとのかかわりが楽しくなった」などという声が、しばしば聞かれるようになりました。


■本来の姿を取り戻すために
 子どもとはそもそも、親や周囲の大人たちの愛護のもとで、生きる喜びを味わい、自分らしさを発揮しつつ、みずから育っていこうとする向上心を持った、優しく、物分かりのよい人たちです。ところが、何らかの事情があると、本来の自分を見失って周りを心配させずにはおかない、さまざまな行動を見せるようになります。実は、そんなことはしたくないと思って困っているのは子ども自身であり、なんとかしたいと思いながらもどうにもならず、やけを起こしたり、あきらめたりしているのです。
 親もまた、本来誰に教えられなくても、子育ての英知を自分の中に秘めているはずなのですが、さまざまな事情に妨げられて、持っている力を発揮できずにいます。親が秘めている育児力と子に内在する成長力が発揮されるのを妨げる「事情」とは単純なものではありません。子育てが個々の親の、とりわけ母親の孤独な責務となっていること、子どもが憧れて育つような生き生きとした将来が実感できないこと、日々の暮らしにゆとりがなく親が幸せいっぱいの笑顔で子どもを包みこみにくくなっていることなど、現代社会の複雑さを反映したさまざまな要因が、個々の家庭に複合的に働いているようです。
 抱っこ法は、それぞれの親子について、どこから手をつけたら幸せな親子関係を回復できるかを見つける、お手伝いをしようとするものです。きちんと役立つことができると、親は子育ての自信や意欲や喜びを取り戻し、子どもは本来のすてきな姿を輝かせるようになります。子どもとかかわる職業の方にとっても同様で、自分も子どもも本来の姿を取り戻し、持っている力を発揮することができます。 

◎抱っこ法が大切にしている「3つのこと」→こちら